会長声明「金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ中間論点整理の公表に当たって」について
2025年7月17日、日本公認会計士協会から、金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」の中間論点整理が公表されたことを受けて、会長声明が発出されました。この声明は、サステナビリティ情報開示の重要性と、その信頼性を確保するための公認会計士の役割について、協会としての考えをまとめたものです。
なぜサステナビリティ情報が重要なのか？
近年、企業活動が環境や社会に与える影響、いわゆる「サステナビリティ」への関心が高まっています。投資家をはじめとする様々なステークホルダーは、企業が持続可能な社会の実現にどのように貢献しているか、また、気候変動や人権問題といったリスクにどのように対応しているかを知りたいと考えています。
このような背景から、企業は自社のサステナビリティに関する情報を積極的に開示することが求められています。これは、企業の透明性を高め、投資家がより良い投資判断を行うため、そして企業が社会的な責任を果たすために不可欠です。
金融審議会ワーキンググループの中間論点整理とは？
金融庁が設置した「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」では、企業がどのようなサステナビリティ情報を開示すべきか、そしてその情報の信頼性をどのように保証していくべきかについて、活発な議論が行われてきました。
今回公表された「中間論点整理」は、これまでの議論の成果をまとめたもので、今後、サステナビリティ情報開示のルールや、それを保証する仕組みを具体化していく上での重要なたたき台となります。
公認会計士協会の会長声明が示すこと
日本公認会計士協会がこのタイミングで会長声明を発表したのは、サステナビリティ情報開示の議論において、公認会計士が果たすべき役割の重要性を改めて強調するためです。
会長声明では、主に以下の点が述べられています。
- サステナビリティ情報開示の推進: 企業が適時、適切にサステナビリティ情報を開示することの重要性を支持しています。
- 保証（アシュアランス）の必要性: 开示されたサステナビリティ情報が正確で信頼できるものであることを、第三者である公認会計士などが保証する（アシュアランスを提供する）ことの必要性を強調しています。これにより、情報の信頼性が高まり、ステークホルダーが安心して利用できるようになります。
- 公認会計士の専門性の活用: 公認会計士が持つ会計や監査の専門知識と経験を活かし、サステナビリティ情報の開示や保証の分野においても貢献していく決意を示しています。
- 国際的な動向への対応: 国際的なサステナビリティ情報開示基準（ISSB基準など）の動向を踏まえ、日本におけるサステナビリティ情報開示のあり方を検討していくことの重要性も指摘しています。
今後の展望
この会長声明は、日本におけるサステナビリティ情報開示と保証のあり方が、今後どのように発展していくかを示すものです。公認会計士協会は、金融審議会での議論に積極的に参画し、専門家の立場から建設的な意見を表明していくことで、質の高いサステナビリティ情報開示と、その信頼性を確保する仕組みの構築に貢献していくことが期待されます。
企業にとっては、サステナビリティへの取り組みを強化し、開示体制を整備することがますます重要になってくるでしょう。公認会計士は、そのパートナーとして、企業の持続的な成長と社会への貢献を支援していくことになります。
プレスリリース「会長声明「金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ中間論点整理の公表に当たって」の発出について」
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